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作業部日誌V3

        

“模型社のK-28”をよみがえらせる

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本当なら池袋の芸術祭でデビューさせるつもりだった模型が、コロスケのせいで催事は中止、そして日々の暮しもそれなりに振り回され、けっきょく丸2ヶ月延べでなんとか完成といえる状態に…それがここでお目にかける、HOn3の古いD&RGW K-28。

遊び倒された素性の知れぬ中古をCABOOSE HOBBIESから取り寄せて早や7年。いろいろ調べた結果、実は1950年代半ば頃のPFM(Pacific Fast Mail)黎明期の製品で、まだ自社工場を持たぬ頃のユナイテッドが鉄道模型社に作らせたものだった、と知るに到る。
珊瑚のダックスよりも、つぼみ堂の10.5mm版木曽森林よりもさらに古く、カタログ掲載用のファースト・ショットに関していえば1954年ーすなわちギリギリ昭和20年代(!)製という、日本製のナローゲージ製品としては間違いなく最古の部類に入る代物が、まさか自分の手許に転がり込んで来るとは…
なにぶん時代ゆえに素朴さは隠しきれない造りであるし、元オーナーの愛情が感じられる購入時の状態で置いておきたい気持ちもあったのだが、ときどき走らせているうちにギヤがスリ減って空転するようになったのを機に、敢えて後年の製品たちと伍して活躍させてやれるよう、思い切ってレストアを図ることにしたのだった。
中身はギヤボックスの調整と併せてモーター交換+サウンドデコーダも搭載。ただしデコーダがひと世代前のツナミゆえ相性の問題もあり、モーターはやや旧態なマシマの缶(珊瑚扱いの1628サイズ)に。真鍮地肌剥き出しの車輪も、動輪以外はさすがにクロムメッキ済の後年のものに換えてある。
ディテールは表情を引き締めるため煙室周りの一部だけパーツを交換し、一方で出来のガサツなテンダーのドッグハウスは潔く撤去。そして見てくれはグリーン・ボイラーでおめかしした1930年代の姿とし、チョット華やかにしてみたつもり。
ただ、デコーダが別の罐から外した難有り品で、ライトのオン/オフが効かないのが泣きどころ。またぞろデコーダの転配やら取り換えやらに頭を悩ませることになりそうである。

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▲ボイラーの緑色にはマッハの南海サザン用グリーンを起用し、意図的に実物よりも鮮やかにしてみた。

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▲購入時(2013.3)の状態。前オーナーのもとで存分に遊び倒されたこの姿も捨てがたくはあったのだが。

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▲1956ないし1957年版 PFM(Pacific Fast Mail)カタログの当該製品ページ。ユナイテッド製であることと併せて、『ドライバーだけで組立可』『モーターはリンゼイL-1316』『鋳物部品はケムトロン製』などと謳われている。ロスト部品は先/従台車・メインフレーム・コンプレッサー・発電機と記されているが、発電機は実際には挽物製。また、モーター形番はこの版ではL-1316だが、初出の1955年版ではL-190となっていた。

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▲参考までに、“Brass Model Trains Price & Data Guide, Vol. 2”のリストからの抜粋もお目にかける。備考欄に“NO RIVET HEADS ON SIDE FRAME”とあるものは、メインフレームにリベット表現がなく(プレス抜の本体にハンドメイドの担いバネ貼付?)、先/従台車の軸箱もムクからの削り出しと思しき造作。当該品は以下に示したYouTube動画に写っているほか、エリエイの『The Art of Brass Vol.1』 p.64にもそれらしき物の写真が載っている(同書は熊田貿易が扱った輸出ブラス製品の集成だが、おそらく何らかの事情で同社のキープサンプルに紛れ込んだ代物であろう)。
裏を返せば、私の手許にやってきたロスト製足回りの個体は、備考に“UNPAINTED KIT”とある1955年の18台ないしは1956年の123台の中の1台ではないかと思われる。



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▲まずブレーキ液漬けにして塗装を剥離。おそらく半世紀モノ?のエナメル塗膜はかなり頑固で、引き上げてからさらにブラシや竹串で念入りに削ぎ落とす必要があった。

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▲さらに水洗・乾燥を経ての状態。(もちろんモーターは洗ってませんw)

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▲フレームはてっきりドロップだと思い込んでいたが、塗装を剥がしたことで、実際にロストワックス製であることが確認できた。軸箱可動の足回りも、当時としては充分に高級な仕様だったといえよう。

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▲こちらはテンダー。本体のリベット表現は裏面のエッチングによるポンチ孔に沿った打ち出し。手スリは孔あけによる植え込みに非ず、先端を叩き潰してイモ付けしてある。さらに、アンダーフレームは真鍮製引抜レールの流用だ。

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▲楕円形の筐体が特徴の、オリジナルのリンゼイ製モーター。コアは5極のスキュード。

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▲モーター換装や塗装は済めど、デコーダ(ツナミTSU-750)の搭載に悪戦苦闘中の図。サウンドDCCは一にも二にも集電なので、エンジン前進左側とテンダー台車にブラシを追加し、デコーダにもキャパシタ(トマランコンデンサ)を組み合わせている。

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▲ディテールパーツの交換はおもに正面回りにとどめている。ヘッドライトは最近クマタのジャンクコーナーで入手したロスト製ホロー・モダン、マーカーライトは中村のK-27から外した挽物製。ナンバーボードはオリジナル(亜鉛合金?製)に誤ってコテを当てて溶かしてしまったためPSCのロストに。

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▲テンダーのドローバピン固定部の絶縁ワッシャ。松本謙一さんに塗装前の現物を見ていただいた際に「むかしの模型社の製品には、この緑色のワッシャがよく使われていた」というお話をうかがったので、模型社製の証?として無塗装で残してある。

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▲先に塗装・サウンド化を成し遂げたWestside Model Company-中村精密のK-28(左)とのツーショット。ディテールこそさすがに時代の差を感じるが、こうしてみると、苦労してグリーン・ボイラー塗装にした甲斐があったかな…と。しかし中村の方とて、すでに40年以上前の製品なのであった(模型社は1955or56年、中村は1978年製)。
   
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テーマ:鉄道模型 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2020/07/19(日) 12:52:41|
  2. 工作(模型)
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立山砂防軌道 北陸重機製動力車一覧表(2020.7改訂版)

神岡の旧奥飛騨温泉駅前に、もと立山砂防の5t機が保存された、というニュースが流れてきた。
https://twitter.com/kamioka_funatsu/status/1283967215256010752

あそこには元々57-10-28があったはずだが?…と思いよく見ると、同じ'80年代スタイルの北重5t機なれど、別個体であるのは間違いない(57-10-28はユニック装着化改造時の名残りで端梁のディテールが他機と異なる)。
さらに検索して解像度の高い写真をアップしている記事を確認した結果、去年は千寿ヶ原のクラの中にいた62-10-94が退役・譲渡されたと判ったのである。
そんなわけで、以前上げた一覧表 をさっそく修正してみた。↓

立山砂防軌道 北陸重機製動力車一覧表(2020.7.18改訂)

62-10-94の動向以外に、'00年代型5t機の備考にも若干加筆してある。

sabo_hokuju_list_200718_capture.png

なお、冒頭でリンクを貼ったツイートをご覧いただければわかるが、そもそもは「これのどこが(2ft時代の)神岡の機関車と同じやねん?」という文脈で盛り上がっていたもの。
そりゃまあ、“軌間2ft・L型車体で軸配置B型のローラーチェン駆動内燃機”であるところまでなら同じっちゃ同じなんですけど。ねえ。
       
  1. 2020/07/18(土) 20:24:10|
  2. 書誌記録
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doblog未移植分全ログ 2006.6~2008.2(画像は未アップ)

データがフッ飛んだせいでサーヰ"ス継続を諦めてしまった旧ブログ(doblog)のエントリ移植に途中で挫折して気がついたら早10年くらい(糞爆)が過ぎ去ってしまったわけだが、おかげさまでログ未修復の2006~7年辺りの(趣味の)活動実績が自分でWEB上で見られぬという辺りにそこはかとなく不便を感じる事案が生じたのでチラ裏用として発作的にテキストだけザツに丸ごと上げとくことにした。
すでに上げてあるやつも混じってるけど気にしてはイケナイ。そして画像貼りとかエントリ整理をいつやるかはまったく以て未定です本当にすいません。



【2020.7.20追記】
・ http://chojamaru.blog51.fc2.com/blog-entry-199.html を誤って削除してしまったので序文のみ再アップ。

【2020.7.23追記】
・当該エントリの再アップがすべて完了しました。11年越しでした…


     
    
  1. 2020/02/07(金) 01:30:00|
  2. 旧Doblogエントリについて
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2019年アリバイ報告(模型)

そろそろ1月も終わりそうだけど忘れぬうちに。
  1. 2020/01/24(金) 22:17:16|
  2. アリバイ報告
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立山砂防軌道 北陸重機製動力車一覧表

今年の軽便祭エッチング板に絡めての調べ物。8月末頃からSNSにアップを始め、追って先輩方からご提供いただいた写真も交えつつ何度か改稿を繰り返しているが、ここでひとまず現時点('19.9.12)の最新版を固定しておく。

立山砂防軌道 北陸重機製動力車一覧表(2019.9.12改訂)

sabo_hokuju_list_190912_capture.png

A4一枚モノのPDFだが、掲載画像のほとんどは、画面表示を400%以上に拡大していただければ車体の番号が読める程度の解像度にはしてある。
また、訂正すべき情報等あれば、ぜひご教示をいただければ幸い。
  
★2019.9.22追記:
54-10-59と54-10-60の識別点について

★2020.7.18追記:
一覧表の改訂を行いました。別エントリをご参照下さい。
  1. 2019/09/15(日) 17:06:25|
  2. 書誌記録
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